不倫や浮気について、民法上の解釈について考えてみましょう。
不倫や浮気に関わった当事者、つまり不倫浮気の加害配偶者だけでなく、その不倫浮気の相手も、民法上、責任が問われます。
もちろん、不倫浮気の加害配偶者が、自分は独身だと偽って関係を継続している場合には、その不倫浮気相手は民法上の責任を追求されない場合もあります。
不倫浮気が発覚した場合、不倫浮気の加害配偶者と被害配偶者が離婚するか、離婚しないかに関わらず、被害配偶者は不倫や浮気に関わった当事者に対して慰謝料請求を行うことが一般的です。
この不倫や浮気が元で離婚することになりますと、不倫浮気の相手に対する慰謝料請求も考慮しながら離婚時の慰謝料について話し合われます。
不倫や浮気は、共同不法行為となります
性的な関係を既婚者と持つ、これについてはっきりとした法的な認識を持てなくても、不法行為となります。
また、仮に自分自身と婚約関係にある相手や婚姻関係にある相手が、自分以外の異性と性的な関係を持った場合、当該第三者に対して許しがたい気持ちに誰しもがなられるかと思われます。
加えて、不倫や浮気をすることが、社会的にも道徳的にも決して許されないことは、一般常識として皆が有していることです。
しかし、行政書士という仕事をしていると、人間は不倫や浮気をしてしまう生き物だと痛感させられます。
不倫や浮気は、道徳上あるいは社会的に問題になるだけではなく、不倫や浮気の被害配偶者に対して損害賠償の責任が生じます。
つまり、不倫や浮気の当事者は、被害配偶者が平穏に婚姻生活を送る権利を侵害したとみなされ、民法上における共同不法行為を行った者として法的な責任を負います。
このため、不倫や浮気の被害配偶者側からしますと、不倫や浮気の加害配偶者と不倫や浮気の相手の双方に対して、慰謝料を請求する権利が民法によって認められているのです。
不倫や浮気相手に慰謝料を請求する
実際に不倫や浮気が発覚した場合に慰謝料を請求される流れとしましては、まずは、加害配偶者の不倫や浮気相手に連絡を取ります。
そこで、被害配偶者側は慰謝料請求を行う意思を示した上で、具体的な慰謝料の額や支払い条件について話し合います。
不倫や浮気の相手が、すでに知り合いか知り合いでないかに関わらす、直接に顔を合わせた上で解決法を見出すことが一般的となります。
一方で、当然の被害者感情として、不倫や浮気の相手に直接会うこと自体が辛いので、顔をあわせることは避けたい、という意向の方もたくさんいらっしゃいます。
このような場合には一般的に、最初に被害配偶者側から、不倫や浮気の相手に対して、内容証明郵便による慰謝料請求書を送付する方法がとられます。
内容証明郵便を送付すると直ちに慰謝料が不倫や浮気の相手側から支払われるということではありません(内容証明には、大きな法的効力はございません)。
しかしながら、不倫や浮気の相手側からの行動を促す効果がありますので、内容証明郵便が広く利用されています。
もちろん、慰謝料の請求を行っても、不倫や浮気の相手側が全く応じないことも少なからずあります。そのような場合には、訴訟を持って慰謝料請求を行う必要が生じます。
慰謝料請求は、難しい場合も
浮気や不倫の慰謝料とは、その関係の継続した関係が長期に渡ったり、その関係が原因となって離婚することになった場合には、数百万円といった高額な慰謝料の取り決めが行われる可能性があります。
しかしながら、請求される慰謝料額が高額になる程、現実的に請求を受けた側が支払いできない可能性が高くなります。
数百万円の現金を、慰謝料の支払いとして用立てることができる人は、それほど多くはないからです。
一般的に、不倫や浮気にかかる慰謝料は、請求する側の被害者感情として、高額になりがちです。
実際のところ、慰謝料の請求を受けた側からしますと、不倫や浮気をした事実に対しては民法上の責任が存在することは認めても、自分一人だけに不倫や浮気の全責任があるとは考えません。
加害配偶者にも、不倫や浮気の責任が十分存在すると考えます。
高額な慰謝料請求が自分にだけ行われるといったバランスを欠いた請求の場合には、その支払いについて納得できず、解決に至らない場合も出てきます。
高額な慰謝料請求に踏み切ると、不倫や浮気の相手側が態度を硬化させ、直接の話し合いに応じず、弁護士を代理人に選任して訴訟以外の方法では損害賠償請求には応じないといった姿勢を示してくる場合もあります。
このようなケースもありますので、不倫や浮気の相手側との慰謝料に関する話し合いは、スムーズに進まない場合も十分に想定してのぞむ必要があります。
まとめ
不倫や浮気の問題解決には、夫婦間での話し合いや不倫や浮気の相手側への慰謝料請求など、まずは、示談書や合意書等の書類作成が必要になります。
こういった手続きには、準備にも相当の時間や手間がかかる上に、被害配偶者側の思うように進まないことから、精神的な負担が大きいものです。
また、具体的な対応や判断を要求される場面では、民法による法律知識が必須となります。
被害配偶者お一人だけで対応を進めることも不可能ではありませんが、できるだけ手続きをスムーズに行うために、専門家のサポートを利用することが解決に向けた確実なステップとなります。
当事務所におきましても、不倫や浮気問題に対応するサポート体制を整えておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
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