不倫示談書とは、簡潔にお伝えしますと、不倫問題を解決するために作成した、話し合いの取りまとめ文書のことです。
不倫示談書は、当事者同士で内容を決定することができますが、行政書士や弁護士を通じて作成することも一般的です。
民法上の不貞行為があったこと、つまり不倫の事実についてや慰謝料の支払いについての合意、合意した金額及び支払い時期、不倫の当事者が二度と連絡を取り合わない、などの合意に至った内容を記載し、双方が署名捺印して契約(示談書)が成立します。
一般的に、不倫問題の解決に向けた話し合いがまとまった際には、合意した内容を明確にし、将来のトラブルを未然に防ぐためにも、不倫示談書を作成される流れとなります。
不倫示談書というタイトルですが、法的に決まりがあるわけではございませんので、和解書、あるいは合意書といったタイトルでも問題はありません。
示談書を作成しておくメリットとは?
口頭(話し合いのみ)でも示談は成立いたします。
書面の作成は、示談の有効性の問題でなく、示談の証明力を強めるために行われます。
口頭での示談では、その内容や記憶がどうしても曖昧になりがちだからです。
後日に相互の理解や解釈の違いが明らかになり、トラブルになる可能性が十分にございます。
また場合によっては、不倫相手が「不倫慰謝料をお支払いします」と口頭で確認したのに、「やはり支払いません」ときちんと支払いが履行されない可能性も考えられます。
そのため、せっかく話し合いを行った労力や時間が、全て無駄に終わってしまうこともございます。
話し合いで取り決めがまとまった際には、その内容を書面で残すことで、その後「言った」「言わない」といった争いは事前に回避できますし、証拠力がありますので、「不倫の事実はなかった」「やはり支払いません」などと、合意を容易に覆される可能性は低くなります。
不倫問題の確実な解決を目指すためには、示談書の作成を避けては通れないといえるでしょう。
不倫示談書は誰が作成する?
不倫示談書は、誰が示談書を作成するかにおいては、特に定められておりません。
一般的に交渉ごとは、主導権を握った側が優位にことを進めることができる、と解されています。
事務処理にかかる金銭的及び時間的な負担が煩わしいとはいえ、不倫示談書を作成する側になりますと、示談交渉に主体的に関わることができますので、実際の交渉の席で有利に交渉を進めることができると言えます。
万が一、交渉相手から修正をお願いされても、その修正案も自分の望む形で調整が可能です。
注意したい点は、行政書士や弁護士などの専門家によって作成された示談書の方が、相手方側も安心感や信頼感を得られるということです。
第三者を通さずに作成された示談書ですと、一般的に、作成本人にのみ有利な内容になっているのではないかと警戒されたり、騙されているのではと勘ぐられたりすることが十分に想定されます。
また、当然の懸念として、今から署名捺印をする書面が契約書として法的な効果が十分に得られるのが、その信頼性に不安を持たれることもありうるでしょう。
特に、不倫慰謝料が絡むような不倫示談書を作成される場合には、行政書士や弁護士といった専門家へ、ぜひ意見を仰がれることをお勧めいたします。
行政書士に依頼した示談書費用の負担は?
示談書の作成費用をどなたがご負担されるかは、当事者様でご決定いただくことが可能です。
そのため、実際に行政書士や弁護士にご依頼された側でない方が、ご負担されることも一般的です。
つまり、示談書の中に「行政書士に依頼した示談書の作成費用は、〇〇が負担する」という条項を入れ、負担する側を明確にされるということが大切です。
まとめ
示談書の作成には、法的に記載が必要な要件は存在しますが、記載内容自体は原則的に自由です。
示談書と一括りにできないほど、個々のケースによって示談内容は大きく異なります。
こういった状況を踏まえますと、インターネット上のテンプレートを使用した示談書の作成は、後日トラブルを引き起こす可能性が高く、お勧めできないのが実情です。
行政書士や弁護士といった専門家に示談書の作成をご依頼になりますと、金銭面での負担は生じますが、ご自身の立場が不倫の当事者、あるいは被害者に関わらず、ご自身のご意向を反映させた示談書を作成することが可能というメリットがあります。
口頭での示談後に、トラブルを再発させないためにも、是非一度、行政書士や弁護士へご相談いただけますと幸いでございます。
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