


1. そもそも「比例付与」とは何か?
まず、有給休暇(年次有給休暇)の大原則から説明します。 法律上、有給休暇の日数は「正社員だから多い」「パートだから少ない」といった雇用形態で決まるわけではありません。
「週の所定労働日数」や「週の所定労働時間」が一定以上の基準(原則として週5日以上、または週30時間以上)を満たしていれば、パートの方でも正社員と全く同じ日数(入社6ヶ月で10日、1年6ヶ月で11日…)が付与されます。
「週5日も働いていないパートやアルバイトには有給休暇はない」と思われがちですが、それは間違いです。
では、「比例付与」とは何か。 これは、その基準を満たさない、比較的勤務時間が短い(少ない)方(※)のための特別な付与ルールです。 正社員の日数を基準に、労働日数に比例させた(=減らした)日数を付与するため、「比例付与」と呼ばれます。
(※)具体的には、「週の所定労働時間が30時間未満」で、かつ「週の所定労働日数が4日以下」(または年間の所定労働日数が216日以下)の方が対象です。
付与される日数は、フルタイムの方と同様に「6ヶ月継続勤務」と「8割以上出勤」を前提として、勤続年数と週の所定労働日数に応じて決まります。
2.「計算方法は?」
タイトルには「計算方法」とありますが、これは少し誤解を生みやすい表現かもしれません。
確かに、この比例付与の日数を導き出すための理論上の計算式(※)は存在します。
(※) (その人の週所定労働日数 ÷ 5.2) × (正社員の有給休暇日数) = 付与日数(小数点以下切り捨て)
しかし、社労士としてのアドバイスは「ご自身でこの複雑な計算をする必要は一切ない」ということです。 なぜなら、法律(労働基準法施行規則)が、この計算結果をあらかじめ「表」にして示してくれているからです。
3.週の所定労働日数別の付与日数(表)
| 継続勤務年数 | 週4日 | 週3日 | 週2日 | 週1日 |
| 6ヶ月 | 7日 | 5日 | 3日 | 1日 |
| 1年6ヶ月 | 8日 | 6日 | 4日 | 2日 |
| 2年6ヶ月 | 9日 | 6日 | 4日 | 2日 |
| 3年6ヶ月 | 10日 | 8日 | 5日 | 2日 |
| 4年6ヶ月 | 12日 | 9日 | 6日 | 3日 |
| 5年6ヶ月 | 13日 | 10日 | 6日 | 3日 |
| 6年6ヶ月以上 | 15日 | 11日 | 7日 | 3日 |
法律は、「比例付与」の対象となる方について、
- 勤続年数(6ヶ月、1年6ヶ月、2年6ヶ月…)
- 週の所定労働日数(週4日、週3日、週2日、週1日)
この2つのマトリクスで、もらえる有給休暇の日数を明確に定めています。
【例:勤続2年6ヶ月の方の場合】
- 正社員(週5日)や、週30時間以上働くパート:12日
- 比例付与で「週4日」勤務のパート:9日
- 比例付与で「週3日」勤務のパート:6日
- 比例付与で「週2日」勤務のパート:4日
このように、「計算」をしなくても、ご自身の「勤続年数」と「週の労働日数」をこの早見表に当てはめるだけで、法律上もらえる日数がすぐに分かる、ということを解説するのが、このタイトルの目的です。
(※週単位ではなく「年間の所定労働日数」で定められている場合も、この表に準じて計算されます)
4.まとめ
パートやアルバイトの方も、条件を満たせば必ず有給休暇は付与されます。
ご自身の雇用契約書や給与明細で「所定労働日数」と「付与日数」を確認してみましょう。













