

1. 結論:出勤率8割未満だと「0日」になります
まず、タイトルの核心である「出勤率8割未満だと有給休暇は0日?」という疑問ですが、答えは「その通り0日(付与されません)」です。
年次有給休暇(有休)は、労働基準法第39条によって定められた労働者の権利ですが、これをもらうためには2つの要件を両方とも満たす必要があります。
- 継続勤務: 雇入れの日から起算して「6ヶ月間」継続勤務していること(その後は1年ごと)
- 出勤率: 上記1.の期間の「全労働日の8割以上」出勤していること
この2つの要件を満たした「基準日」(例:入社6ヶ月後の日、入社1年6ヶ月後の日)に、初めて有給休暇をもらう権利が発生します。
したがって、継続勤務の要件を満たしていても、直近1年間(または6ヶ月間)の出勤率が8割に満たなかった(例:79.9%)場合、その基準日において付与される有給休暇は0日となります。
2. 間違いやすい「出勤率」の計算方法
では、その「8割」をどう計算するのかが重要です。
特に、何が「出勤した日」とみなされ、何が「全労働日」から除かれるのか、間違いやすいポイントです。
しかし、計算式はシンプルです。
出勤率=出勤日数÷全労働日
全労働日(分母)とは?出勤日数(分子)とは?については、下記の記事をご参照ください。
3. もし8割未満で0日だったら、次はどうなる?
ここも非常に重要なポイントです。 例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
- 入社日: 2023年4月1日
- 入社6ヶ月 (2023年10月1日): 8割以上出勤 → 10日付与
- 入社1年6ヶ月 (2024年10月1日):
- 直近1年(2023/10/1~2024/9/30)の出勤率が7割だった
- → この日(2024年10月1日)の付与は 0日
- 入社2年6ヶ月 (2025年10月1日):
- 直近1年(2024/10/1~2025/9/30)の出勤率が9割だった
- → この日(2025年10月1日)に付与される日数は?
この場合、「前回11日付与されるはずだったのが0日だったから、次は11日付与?」と考える方がいますが、これは間違いです。
正解は「12日」付与されます。
有給休暇の付与日数は、あくまで「勤続年数」に応じて決まります(下表参照)。
一度出勤率8割未満で0日付与になった年があっても、「勤続年数のカウント」はリセットされません。
上の例では、2025年10月1日時点で「勤続2年6ヶ月」である事実に変わりはないため、この時点で改めて「出勤率8割以上」の要件さえ満たせば、「勤続2年6ヶ月」に対応する12日が付与されるのです。
一般労働者の付与日数(週5日以上勤務など)
| 継続勤務年数 | 付与日数 |
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日 |
※パート・アルバイトの方は、週の所定労働日数や時間に応じた「比例付与」となりますが、出勤率8割の要件は同じです。
まとめ
- 有給休暇は「継続勤務」と「出勤率8割以上」の両方を満たさないと付与されない。
- 出勤率が8割未満の年は、付与日数が「0日」になる。
- 出勤率の計算では、「産休・育休・労災・有休」は出勤扱いにしなければならない。
- 0日付与の年があっても勤続年数はリセットされない。次の1年間で8割以上出勤すれば、その時点の勤続年数に応じた日数がもらえる。
激務の中で体調を崩し、長期休職することがあるかもしれません。また、産休・育休などで長期間休むこともあるかもしれません。
法律では、産休・育休や労災期間は『出勤』とみなされるため、復帰後の有給休暇はしっかり守られます。
万が一私傷病で休んで付与が0日になったとしても、積み上げた『勤続年数』までリセットされることはありません。
法律は働く人たちの味方です。制度を正しく理解して、安心して現場に戻ってきてくださいね。














