【社労士が解説】看護師は産休・育休中でも有給休暇は発生する?「全労働日の8割」出勤率の計算方法

「有給休暇が発生する要件である『全労働日』とは何かを解説。会社と働く約束をした日数(所定労働日数)のことであり、出勤率計算の分母になる数字であることの説明。」
「出勤率の分子(出勤日)としてカウントされるものについて。実際に働いた日に加え、産休・育休期間や有給休暇を使った日などは、法律上『出勤したもの』として扱われるという解説。」
「全労働日(分母)に含まれない日についての解説。休日労働した日や、地震などの不可抗力で会社が休みになった日は分母から除外される。結論として、産休育休中は出勤とみなされるため、翌年の有給は発生するというまとめ。」

Instagramより引用

1.産休・育休中でも、次の有給休暇は「発生します」

まず結論から申し上げます。 産休(産前産後休業)や育休(育児休業)の期間中であっても、その期間は「出勤したもの」として扱われます。

そのため、その期間(例えば1年間)のほとんど、あるいは全てを休業していたとしても、出勤率が8割を下回ることはなく、法律で定められた日数の有給休暇が、次の付与日に予定通り発生します。

2. なぜ「8割出勤」が関係するのか?

この疑問を理解するには、まず「有給休暇がどうやって発生するか」という大原則を知る必要があります。

有給休暇(年次有給休暇)は、法律(労働基準法)で、以下の2つの条件を満たしたときに付与されます。

  • 入社から6ヶ月間、継続勤務していること
  • その期間の「全労働日」の8割以上を出勤していること

この2つをクリアすると、まず10日間の有給休暇が付与されます。

その後は、「前回の付与日から1年間」の全労働日の8割以上を出勤していれば、勤続年数に応じて11日、12日、14日…(最大20日)と、次の有給休暇が付与され続けます。

看護師社労士
看護師社労士

この「8割以上出勤」という要件が、今回の最大のポイントです。

3. 産休・育休の「出勤率」計算方法

では、1年間まるまる育休を取った場合、出勤率はどうなるのでしょうか? 「1日も出勤していないから、0%になってしまうのでは?」と不安になりますよね。

ご安心ください。 法律では、出勤率の計算において、以下の期間は「出勤したものとみなす(=出勤日としてカウントする)」と明確に定められています。

出勤したものと「みなす」期間

  • 産前産後休業(産休)の期間
  • 育児休業(育休)の期間
  • 介護休業の期間
  • 業務上のケガや病気で療養(労災)している期間
  • 有給休暇を使って休んだ日

注意】出勤扱いに「ならない」休み

上記の法律で定められたもの以外(例:私傷病による欠勤、慶弔休暇、生理休暇など)を出勤扱いにするかは、会社の就業規則によります。法律上の義務はありません。

具体的な計算例

例えば、ある会社の1年間の「全労働日(分母)」が240日だったとします。

  • Aさん(通常の勤務者)
    • 病気(私傷病)で20日欠勤、実出勤は220日(分子)
    • 計算:220日 ÷ 240日 = 91.6%
    • 結果:8割を超えているため、次の有給休暇が発生する。
  • Bさん(育休取得者)
    • 1年間(240日)すべて育児休業を取得
    • 計算:育休240日は「出勤したもの」とみなされるため、出勤日数は「240日」として扱われます。
    • 計算:240日 ÷ 240日 = 100%
    • 結果:出勤率100%として扱われるため、次の有給休暇が丸ごと発生します。

4. 「全労働日(分母)」から除外される日

ちなみに、「全労働日」とは、もともと労働契約で働くことになっていた日(所定労働日)を指します。

そのため、以下のような日は、出勤率の計算の「分母」である全労働日にも含まれません。

  • 会社が定めた休日(土日祝など)
  • 休日労働をした日(代休を取得した場合を除く)
  • 天災地変など、不可抗力によって会社が休みになった日

5.まとめ

有給休暇の発生において、産休・育休を取得することは、法律上、一切の不利益にならないよう保護されています。

  • 産休・育休の期間は「出勤扱い」となる。
  • したがって「8割出勤」要件はクリアできる。
  • 復職したとき、または休業中であっても、付与日になれば次の有給休暇がきちんと発生する。

看護師社労士
看護師社労士

安心して子育てや療養に専念してください。

もしご自身の付与日数や計算方法について不明な点があれば、担当部署などにご相談下さい。



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