


1.産休・育休中でも、次の有給休暇は「発生します」
まず結論から申し上げます。 産休(産前産後休業)や育休(育児休業)の期間中であっても、その期間は「出勤したもの」として扱われます。
そのため、その期間(例えば1年間)のほとんど、あるいは全てを休業していたとしても、出勤率が8割を下回ることはなく、法律で定められた日数の有給休暇が、次の付与日に予定通り発生します。
2. なぜ「8割出勤」が関係するのか?
この疑問を理解するには、まず「有給休暇がどうやって発生するか」という大原則を知る必要があります。
有給休暇(年次有給休暇)は、法律(労働基準法)で、以下の2つの条件を満たしたときに付与されます。
- 入社から6ヶ月間、継続勤務していること
- その期間の「全労働日」の8割以上を出勤していること
この2つをクリアすると、まず10日間の有給休暇が付与されます。
その後は、「前回の付与日から1年間」の全労働日の8割以上を出勤していれば、勤続年数に応じて11日、12日、14日…(最大20日)と、次の有給休暇が付与され続けます。
この「8割以上出勤」という要件が、今回の最大のポイントです。
3. 産休・育休の「出勤率」計算方法
では、1年間まるまる育休を取った場合、出勤率はどうなるのでしょうか? 「1日も出勤していないから、0%になってしまうのでは?」と不安になりますよね。
ご安心ください。 法律では、出勤率の計算において、以下の期間は「出勤したものとみなす(=出勤日としてカウントする)」と明確に定められています。
出勤したものと「みなす」期間
- 産前産後休業(産休)の期間
- 育児休業(育休)の期間
- 介護休業の期間
- 業務上のケガや病気で療養(労災)している期間
- 有給休暇を使って休んだ日
【注意】出勤扱いに「ならない」休み
上記の法律で定められたもの以外(例:私傷病による欠勤、慶弔休暇、生理休暇など)を出勤扱いにするかは、会社の就業規則によります。法律上の義務はありません。
具体的な計算例
例えば、ある会社の1年間の「全労働日(分母)」が240日だったとします。
- Aさん(通常の勤務者)
- 病気(私傷病)で20日欠勤、実出勤は220日(分子)
- 計算:220日 ÷ 240日 = 91.6%
- 結果:8割を超えているため、次の有給休暇が発生する。
- Bさん(育休取得者)
- 1年間(240日)すべて育児休業を取得
- 計算:育休240日は「出勤したもの」とみなされるため、出勤日数は「240日」として扱われます。
- 計算:240日 ÷ 240日 = 100%
- 結果:出勤率100%として扱われるため、次の有給休暇が丸ごと発生します。
4. 「全労働日(分母)」から除外される日
ちなみに、「全労働日」とは、もともと労働契約で働くことになっていた日(所定労働日)を指します。
そのため、以下のような日は、出勤率の計算の「分母」である全労働日にも含まれません。
- 会社が定めた休日(土日祝など)
- 休日労働をした日(代休を取得した場合を除く)
- 天災地変など、不可抗力によって会社が休みになった日
5.まとめ
有給休暇の発生において、産休・育休を取得することは、法律上、一切の不利益にならないよう保護されています。
- 産休・育休の期間は「出勤扱い」となる。
- したがって「8割出勤」要件はクリアできる。
- 復職したとき、または休業中であっても、付与日になれば次の有給休暇がきちんと発生する。
安心して子育てや療養に専念してください。
もしご自身の付与日数や計算方法について不明な点があれば、担当部署などにご相談下さい。















